発起人とは?

「発起人」とは、会社の設立の企画者として定款に署名又は記名押印した者のことをいいます。発起人は、株式会社の設立に際し、設立時発行株式を1株以上引き受けなければならないと会社法第25条第2項に定められていることから、発起人は株式を引き受けるために必ず出資しなければなりません。このことから、「発起人」は「設立時の株主」でもあることが分かります。たまに、「発起人=株主」と考えている人もいるようですが、それは間違いで、あくまでも「設立時の株主」に過ぎません。例えば、増資した時に株式を引き受けるために出資した者も「株主」に違いないのですが、その人は「発起人」には該当しません。

発起人の役割

発起人の役割は、設立する会社の内容を決め、その内容の定款を作成し、会社運営の原資となる資本金を拠出することになります。つまり、会社を設立する手続きをすることこそが発起人の役割なのです(登記申請書類の作成からは、基本的のその会社の代表取締役の役割となっていきます)。

発起人の責任

発起人は、会社設立に関して発生した問題につき、以下のような責任を負うものとされています。

  1. 現物出資財産不足額填補責任
    発起人は金銭以外での出資(現物出資)をすることも可能ですが、その対象となる出資財産の価額が定款に記載された価額に著しく不足するときは、発起人は、会社に対し、連帯して不足額を支払う義務を負うことになります。
  2. 会社に対する任務懈怠に基づく損害賠償責任
    会社の成立につき発起人としての任務を怠ったときは、これによって生じた損害を賠償する責任を負うことになります。
  3. 第三者に対する損害賠償責任
    発起人は、その職務を行うにつき悪意又は重過失で第三者に損害を与えた場合は、その責任を負うことになります。
    ※ここでいうところの「悪意」とは「法律上の効力に影響を及ぼす事情を知っていること」というような意味で、「重過失」とは「ささいな注意を払えば違法な結果が避けられたにもかかわらず、この注意を怠ったこと」というような意味になります。特に「悪意」とは、道徳上の「悪意」とは意味が異なるので注意。
  4. 会社不成立の場合の費用の責任
    株式会社が成立しなかったときは、発起人は、会社の設立に関して成した行為についてその責任を負い、会社の設立に関して支出した費用を負担することになります。

発起人になれる人

発起人には以下のものがなれます。

  1. 自然人(外国人でもOKです)
  2. 法人

発起人は、株式を引き受けられる権利義務の主体である必要があります。なので、法的に人格が認められる「自然人」と「法人」が発起人となる権利を有しています。だから、法人格のない組合などは発起人になることができません。 また、発起人は作成した定款に実印を押印し、その実印が正当なものであることを証明するために印鑑証明書を提出する必要がありますが、15歳未満の者は印鑑登録をすることができず、従って、印鑑証明書を発行することができません(外国人の場合はサイン証明を提出する方法もあります)。なので、現実的には発起人になることができません。

発起人となる者が複数いる場合

さて、この「発起人」となる者が1人(若しくは1社)の場合ならいいのですが、発起人が複数の場合には注意すべきことがあります。


それでは、次に「発起人を決める際の注意点」を見ていくことにしましょう。

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